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連載「動物行動学としつけ」
ペット相談Q&A
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不妊手術について
友人から不妊手術(避妊・去勢手術)をしたほうが良いと聞きました。どうしてですか?
A:
かつて、犬の屋外飼育や放し飼いが多かった頃は、避妊・去勢手術は、望まない妊娠を防ぎ、不幸な子犬を増やさないということが主目的でした。しかし、手術のメリットはそれだけではなく、性ホルモンに関係する病気や遺伝的な病気の予防、性的なストレスの軽減、問題行動の予防や改善などの効果もあります。将来的に繁殖をする予定がなければ、愛犬の健康のためにも避妊・去勢手術をお薦めします。
避妊手術のメリット:子宮蓄膿症や卵巣腫瘍、乳腺腫瘍など、性ホルモンの働きによって起こる病気の予防ができます。
去勢手術のメリット:精巣腫瘍や前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなど、精巣ホルモンの働きが関係する病気の発症率が低くなることが挙げられます。また、去勢することによって雄性ホルモンがなくなり、階級意識も薄らぐので、むやみなマーキングや攻撃行動、人や物に対するマウント、雌を求めての放浪・脱走など、一般に問題行動とよばれる行動が減少する効果も期待できます。
麻酔が怖いのですけれど…
A:
最近では、動物医療の進歩に伴い麻酔の危険率は大変低くなっています。事実現在では、動物に行なう麻酔は人間で行なう方法と全く変わらず、安全性の高い吸入麻酔を使用し、確実な監視モニターのもとで行なわれています。また、麻酔をかける前に血液検査を行い、安全を期しています。高齢の動物には多少なりとも麻酔のリスクがかかってきますので、血液検査の他に心電図検査、X線検査を、また必要に応じて超音波検査を術前に行なうようにしています。これらの検査を行なうと、費用はそれだけ多くかかりますが、最終的にはより安全に手術を行うことができます。
不妊手術(避妊・去勢手術)ってどんな手術をするんですか?
A:
避妊手術は一般的に左右の卵巣と子宮を摘出します。手術は全身麻酔で行うので痛みはまったくありません。腹部の傷は3cm〜5cm程度で、約1週間ほどでほとんどきれいに治ります。
去勢手術は左右の睾丸の摘出が一般的な方法です。陰茎の根元付近の皮膚を少し切開します。精巣の大きさにより傷の大きさも異なりますが1cm〜3cm程度でやはり1週間ほどで傷はほとんどきれいになります。
いつ頃するのが良いですか?
A:
雌では一般的には最初の発情がくる前の生後6カ月くらいが適当と言われていますが、もちろん、それ以降でも手術は可能です。若い頃に手術をしたほうが、子宮や乳腺の病気にかかる確率が低くなります。特に乳腺腫瘍の発生率は避妊時期によってかなり違ってきます。
雄の去勢手術は8〜10ヶ月くらいが適当です。マーキングやなわばり主張などの雄性行動(猫の場合、スプレー行動など)が強く現れる前がよいでしょう。
うちでは女の子を飼っています。一度子供を産ませてからの方が将来の婦人病が少ないのではないでしょうか?
A:
犬に関しては、このような医学的根拠は全くありません。逆に、初回発情前に避妊手術を行った場合、将来の乳腺腫瘍の発生率が1%以下であることが報告されています。発情の回数が増えるごとに乳腺腫瘍の発生率も高くなります。
うちは雄を飼っています。私も男なので男じゃなくするのはとてもかわいそうで不自然な事のように思うのですが?
A:
このことは、男性の飼い主様からよくご相談を受ける内容です。ここでちょっと考えてみていただきたいのですが、人と一緒に暮らしている犬では自由に異性と出会うことが出来ません。本来なら交尾の相手を求める時期に、室内で交尾せずに発情を続けるのは不自然であり、犬にとっても不公平ではないでしょうか。
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