連載記事:動物行動学としつけ

 
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第2回 イヌの五感

  イヌはどのように見て、聞いて、感じているのでしょうか?

  視覚:イヌの動体視力や暗い場所での視力はヒトよりもはるかにすぐれています。一方、静止するものを細部まで明確に見る事は苦手です。識別できる色も少なく、青紫色や緑色、あとは、灰色(黒)のコントラストとして認識しているようです。

  聴覚:イヌは「超音波」と言われる、ヒトには聞こえない音を聞くことができます。また、音がどの方向の、どのくらいの距離から聞こえるかを知る能力も優れています。

  嗅覚:イヌの感覚器の中で、最も優れている感覚です。犬種差はあるものの、2億5千万個もの匂いを嗅ぎ分ける細胞(ヒト500万個)を持ち、ヒトの嗅覚より優れていることは言うまでもありません。例えば、イヌが酪酸をかぎわける能力は、ヒトより100万から1億倍にも及びます。警察犬は、犯人を追跡する際、靴の縫い目を通って足跡に残されたほんのわずかな汗に含まれる酪酸を嗅ぎ取っていきます。イヌが、匂いから得る情報量は莫大です。イヌは、私達の気が付かないところで、イヌ同士や他の動物とコミュニケーションをとっているはずです。

  味覚:味覚もまた、私達のものとは異なります。ヒトよりも敏感に甘み(好む)や苦味(嫌う)を感じているようですが、塩気を感じているかは疑問視されています。

  触覚:口の周りが特に敏感に感じる場所です。一般的に、体に感じる感覚は、身体状態、精神状態および過去の経験によって大きく変化します。例えば、怖がっていたり、お腹がすいていたりする場合は、刺激に対して敏感で、その反応も強くなります。

  第六感?:イヌの能力には、現在の科学では説明できないようなものもあります。飼い主が亡くなった時に、遠くに離れている愛犬が鳴いたという報告は、数多くあります。

  イヌ達は、私達とは違う「五感」を持っています。彼らの視点にたって、状況を予想してみてください。愛犬を理解し、コミュニケーションをとる上で役立つことでしょう。

 

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吉川 綾 先生
吉川 綾 先生プロフィール
酪農学園大学大学院獣医学研究科卒業 博士(獣医学):盲導犬適性およびイヌとネコの 行動学について研究
1997〜2003
酪農学園大学ワンワン学校スタッフ
1999〜2005
NHK学園「愛犬と暮らす」講座講師
2000〜2003
北海道ハイテクノロジー専門学校「イヌとネコの行動学」講師
2005
タフツ大学「動物行動治療科」研修
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