連載記事:動物行動学としつけ

 
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第10回 子犬の発達と接し方T

  子犬期は、行動や気質の大枠を決定する大変重要な時期です。子犬の発達に伴い、新生子期(生後〜12日)、移行期(12〜21日)、社会化期(3週〜12-14週)、若年期(12週〜性成熟)の4つの時期に分類さています。それぞれの時期の子犬の特徴と、接し方について考えてみましょう。

1. 新生仔期

母犬のケアー無しには生きていけない時期です。目も開かず、耳も聞こえず、排泄は母犬に舐めてもらうことによっておこり、体温の調節さえもできません。一日中、母犬、兄弟犬の近くで、オッパイを飲んで、寝て暮らします。ですから、もちろん、この時期に離乳させることも、母犬、兄弟犬から離すこともふさわしくありません。暖かく、母犬のストレスの少ない場所で、飼育されることが理想的です。

2. 移行期

この1週間で、子犬の感覚は急速に変化します。目が開き、耳も聞こえるようになり、ヨチヨチはって移動し、自力で排泄できるようになるのです。この時期も母犬の存在無しには生きることができず、母犬と共に、穏やかな環境で過ごさせるべきでしょう。新生仔期と異なる点は、聴覚、視覚などの発達に伴って、いろいろな情報を得ることができるようになることです。家庭内で自然に聞かれる音、光、人の存在を自然に学び、愛着を形成し始める時期と言えましょう。

この2つの時期は、多くの犬がブリーダー宅で、母犬、兄弟犬と共に過ごします。つまり、飼い主さんが、愛犬を迎える前の時期にあたります。しかし、この時期の環境もまた、犬の後の気質や体質に影響する大事な時期なのです。早期離乳や母犬、兄弟犬からの早期の分離によって、いつまでもオッパイを吸う行動が見られたり、怖がりになったり、病気にかかりやすくなったりする事が知られています。犬がこの時期をどう過ごしたか知ることは、愛犬選びの参考になるでしょう。また、恵まれない環境で育った子犬については、今度に起こりうる問題を理解し、社会化期、若年期に適切な環境を与えてあげたいものです。

 

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吉川 綾 先生
吉川 綾 先生プロフィール
酪農学園大学大学院獣医学研究科卒業 博士(獣医学):盲導犬適性およびイヌとネコの 行動学について研究
1997〜2003
酪農学園大学ワンワン学校スタッフ
1999〜2005
NHK学園「愛犬と暮らす」講座講師
2000〜2003
北海道ハイテクノロジー専門学校「イヌとネコの行動学」講師
2005
タフツ大学「動物行動治療科」研修
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