連載記事:動物行動学としつけ

 
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第14回 クレートトレーニング

 犬は、生活空間の中でお気に入りの場所を自分で決定していくものです。この安心で落ち着いてすごせる場所が、ケージとなるようにトレーニングすることを、「クレートトレーニング」と言います。クレートトレーニングをすることで、将来、様々な場面で安心して過ごせるようになります。例えば、旅行に連れて行った時、お客さんが来た時、留守時など、犬がソワソワ、オドオドしてしまいそうな状況で、クレートは安全で安心できる居場所となるでしょう。また、犬は自分の寝床を汚したがらない習性を利用すれば、トイレトレーニングの助けになるかもしれません。

1. 注意事項
 クレートはあくまでも「落ち着ける場所」であるべきです。罰として使ってはいけません。また、長時間クレートの中に閉じ込めることも悪影響を与えるだけです。子犬のうちは、頻繁にトイレに行くことが必要なばかりでなく、私達のパートナー犬として成長する為には、飼い主からのいっぱいの愛情をうけること、いろいろな場所を探索すること、遊び回ることが不可欠なのです。クレートがそれらの社会的な発達の妨げになることがないようにしなくてはいけません。

2. クレートのサイズ
  犬が立ったり、座ったり、寝転んだり、向きを変えるのに充分ではあるけれど、歩き回ることはできない、犬にぴったりのサイズの物を用意してください。子犬には、大きめケージを買い、仕切り板、箱などを使って、成長に応じて調節することができます。

3. トレーニング方法
1) 設置
 クレートを組み立てたらリビングルームの隅など、犬が寂しくないけれど、落ち着いた所(人が頻繁に通る場所、子供の遊ぶ部屋ではない)に置いてください。中には毛布やクッションなどをひきましょう。母犬や兄弟犬の匂いのするもの、飼い主さんの匂いのするものを一緒に入れることもおすすめです。扉が閉まらないように固定しましょう。

2) 自由に探検させる
 ケージ内を犬に自由に探検してもらいましょう。中におやつを入れておくのもよいでしょう。飼い主さんが、「入るだろうか?」「入れなくてはいけない」っと、意識しすぎてしまってはいけません。

3) 「ハウス!」
 お気に入りのおもちゃやおやつを用意し、クレートの中へ投げ込みます。子犬が入った時に「ハウス」と声をかけ、褒めましょう。また、食餌をクレート内に入れながら、「ハウス」と声をかけ、クレート内で食べさせてみてください。

4) 扉をしめてみる
 子犬が喜んでクレートに入るようになったり、自然にクレート内で休むようになったら、扉を閉めてみましょう。まずは、短時間、おやつやフードを食べている間のみ、またはおもちゃで遊んでいる時のみ閉め、すぐに開けましょう。少しずつ時間を延ばしていきます。

 狭いケージに閉じ込めるなんて可愛そうと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、クレートを使ってみると、犬がその場所を好み、自ら入りたがることに気がつくはずです。愛犬の癒しの為に、クレートトレーニングを始めてみましょう。

 

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吉川 綾 先生
吉川 綾 先生プロフィール
酪農学園大学大学院獣医学研究科卒業 博士(獣医学):盲導犬適性およびイヌとネコの 行動学について研究
1997〜2003
酪農学園大学ワンワン学校スタッフ
1999〜2005
NHK学園「愛犬と暮らす」講座講師
2000〜2003
北海道ハイテクノロジー専門学校「イヌとネコの行動学」講師
2005
タフツ大学「動物行動治療科」研修
アテナ動物病院に関して
わたしたち、アテナ動物病院は先進医療技術をもとに安心と優しさを提供いたします。
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